白石康次郎さんと楽しく学ぶ! 尾西食品の防災教室特別版

2025.08.18

8月9日(土)、横浜ベイサイドマリーナ(神奈川県)で尾西食品防災教室特別版「海洋冒険家・白石康次郎さんと学ぶ! 世界一過酷なレースと、命をつなぐ″アルファ米″の物語」が開催された。

 

長期保存食のパイオニアである尾西食品は、お湯か水を注ぐだけでご飯ができるアルファ米で広く知られ、アウトドアシーンだけでなく、防災のための備蓄食品としても重宝されている。

 

最初の単独無寄港無補給世界一周航海時の、赤道付近で海面に映った自分を撮影した写真について解説する、DMG MORIセーリングチームの白石康次郎さん。食事については「当時はアルファ米が手に入らなかったので、玄米を炊いたんだよ。船内でお汁粉を作ったり、いなり寿司を作ったり。クリスマスはホットケーキと粉ミルクでケーキを、お正月には鏡餅も作ったね」

 

今回の防災教室には小学4〜6年生が参加。はじめに会議室で白石さんから、単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」やDMG MORIセーリングチームについての説明を受けた。

白石さんは水道もガスもない艇上で長い時間戦う。それはまさに災害時と同じような状況である。食事は主に尾西食品のアルファ米で、「私の体は尾西食品さんの食料でできています。オイルサーディンに醤油とマヨネーズを掛けたサーディン丼がわがフネの最高の料理です」と話した。

 

その後〈DMG MORI Global One〉(IMOCA60)を見学。実際に世界を2周したヨットを、小学生たちはくまなく探検した。

 

レース時と同じように、顔写真入りの展示用セールを揚げた〈DMG MORI Global One〉(IMOCA60)

 

子どもたちは船内を、白石さんと一緒に探検

 

みんなで記念撮影。「ダンボールで船を作るのだけど、沈まないようにするにはどうしたらいいですか?」「トイレはどこでするんですか?」など、子どもたちから続々と質問が出た

 

再び会議室に戻ってアルファ米の製造方法を学び、尾西食品の社員の方々と一緒に、実際に1人1パックのわかめご飯を作ってみることに。お湯なら15分、水なら60分でできるアルファ米のご飯を、白石さんは30年以上前から愛用しており、ヨットレースだけでなくアドベンチャーレース中にも食べたそう。

「30年前からアルファ米を食べていますから、僕が日本一食べていると思います。特にいいところはパッケージの切れ味がいいこと。作るポイントはお湯を入れすぎないように、しっかり線まで入れること。アドベンチャーレースのときに山にも持っていきましたけど、沢の水を注いでザックに入れておいて、1時間後にはおいしく食べていました」と当時のエピソードを披露。

 

子どもたちのわかめご飯にお湯を注ぐ尾西食品の市川伸介社長

 

お湯を注いで乾燥した米がなくなるくらいしっかり混ぜたら、15分待つ

 

「(ヴァンデ・グローブの前に)フランス人選手に配ったらみんな喜びました。イタリア人のクルーは、パルメザンチーズを振ってリゾットみたいに食べていました。赤飯には絶対手を出さないんだけど、僕は赤飯が一番好きなので逆にありがたい」と白石さん

 

災害時、救助がすぐに駆けつけるとは限らないので、備えが大切になる。1人あたり3食3日分が必要と言われており、事前に備えておくことの重要性についても子どもたちは学んだ。さらに白石さんは食事を楽しむことの大切さも伝え、ヨットレースと防災や備えの大切さを学ぶ時間となった。

 

(文・写真=森口史奈/Kazi編集部)

 


 

KZ バナー.jpg

トピックス

トピックス の記事をもっと読む