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ヨット
お台場学園セーリングヨット部/子どもたちの声が発足のカギ!

2021.02.10
■ある女の子の思い

東京都港区の小中一貫校のヨット部の活動ゲレンデは、やっぱりお台場! それが「お台場学園セーリングヨット部」。

フジテレビ本社ビルの有名な球体を背景に、お台場海浜公園の海を元気にセーリングしているのだ。このニュースは『Kazi』2月号に詳細を報道したが、今回は記事に書ききれなかった取材秘話をお伝えしたい。

まず驚くのは、このヨット部の発足は、同校のたった一人のある生徒の女の子の声がきっかけになっている、という点だ。 プロセーラー、西村一広さんが代表を務める海洋教育団体「うみすばる」が開催している体験セーリングの様子を見たその女の子は、即座に思った。「私もヨットに乗ってみたい!」。

物語はこの瞬間からはじまったのだ。

 

東京パレットタウンの観覧車を眺めながらお台場海浜公園へ。都会的!

 

 

■お台場の海を走ることの壁

そもそも、お台場学園セーリングヨット部設立には、これまで船舶の航行はもちろん出着艇も禁止されたお台場海浜公園で、体験セーリングイベントを開催した「うみすばる」の功績が大きい。 西村さんは、もともとの会場であった船の科学館の人脈を頼りに、東京都が管轄するお台場海浜公園管理会社、東京都港湾局、臨海副都心まちづくり協議会、海上保安部それぞれに通いつめた。そして、熱意を伝え実現させたものだ。

この体験セーリングは、お台場学園はもちろん、近隣に住む子どもたちのハートをギュッととらえた。 ある男の子は、十数回も参加して、スタッフから顔と名前を覚えられた。また来てくれたの! と(笑)。

当の女の子は、体験セーリングにはもちろん参加しながら、自分の学校、お台場学園に、このヨットを使った部活を作ってほしい! と父兄や先生方に相談した。

この女の子の声に、PTAはもちろん、お台場学園の熊木 崇校長たち先生方も心をうたれ、セーリングヨット部発足に奔走した。熊木校長は、港区教育委員会、東京都港湾局などへ働きかけ関係各所を説得。近隣の江東区に若洲ヨット訓練所があるのに、さらにヨットの練習団体は不必要ではという声もあったそうだ。

この熱意が通り、2018年、ついにお台場学園セーリングヨット部は発足した。 

 

お台場海浜公園のビーチに並ぶ、オープンスキフ級とOP級。感動の光景だ

 

 

■子どもたちの元気な声

しかし……。女の子にとっては時間がかかり過ぎていた。最初に声をあげた女の子は、ヨット部発足を前に学校を卒業してしまったのである。なんということか。

しかし、その女の子の弟たちはまだ在学中で、今もヨット部に所属している。人づてに聞いた話では、その女の子は、自分がヨット部に入る夢は叶わなかったが、こうして弟たちやその仲間がお台場の海でセーリングできているのだから、やはりうれしいと言っているそうだ。

私はこの話を聞いて、この女の子は本当にすごいなと感動した。

自分の夢を明確に大人たちに伝え、大人たちの賛同を得て、教育委員会から港湾局まで巻き込んでものすごいムーブメントを起こしたのだから。 取材では、弟さん二人には会うことができて、いろいろと話を聞いた。二人は本当にヨットが好きで、今ではヨット部の中心的な存在になっている。

そして現在、たくさんの子どもたちが楽しくセーリングする元気な声が、お台場の海に響き渡っている。 どれもこれも、がんばったお姉ちゃんのおかげ。

きっと進学した高校でも、また何かでっかいことをしてくれそう。

そんな予感絶大な、とある女の子のお話でした。 

 

(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=舵社/山岸重彦)

 

※本記事は月刊『Kazi』2021年2月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

模型を使って航路優先権の勉強。みんなで意見を出し合いすぎて、大変なことに(笑)

 

 

元気にセーリングする子どもたち。みんなすっごくうまい。順番待ちの子は、浜でロープワークなどを学びます

 

 

セーリングはもちろん、海図学習、気象・地球学、着衣泳授業、沈起こし競争など海洋学習全般を学ぶことができる

 

 

西村一広監督(右)と、熊木 崇校長(左)。このお二人を中心に、多くの大人たちの尽力で、お台場学園セーリングヨット部が設立された

 

 

笑顔の子どもたち、大集合♪ 彼らの人生にヨットが深くかかわってくれることを切に願います

 

お台場学園ホームページ

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