新世代のエクセレントクルーザー/デュフォー430

2021.03.11

フランスのデュフォー(Dufour Yachts)の最新世代のモデルの一つ、「デュフォー430」のインプレッション取材の機会を昨年末に得た。永井 潤氏による記事を月刊『Kazi』2021年3月号に掲載したが、舵オンラインでも、あらためて写真とともに紹介していこう。

デュフォーは創業から50年以上の歴史を持つビルダーで、現在、日本の海でも数多くの艇が走っている。同社は、いち早くFRP製プロダクションヨットの建造を手がけ、アルページュなどのモデルの成功によって、その名を広く知られるようになった。

現在はクルージングモデルを主体に扱っており、30ft台から60ft台まで、9つのモノハル艇をラインアップしている。近年はカタマラン(49ft)もリリースするなど、マーケットのニーズに対しての提案にも意欲的で、ますます存在感を増しているブランドだ。

デザインは、いずれのモデルもイタリアのウンベルト・フェルチ(Umberto Felci)が担当しており、エレガントでスタイリッシュな姿が、いかにもデュフォーらしいところ。トレンドを敏感に反映したエッセンスが、艇の随所にあふれている。

今回、相模湾で取材の機会を得たのは「デュフォー430」。2019年にリリースされた最新世代の1艇だ。欧米でも人気を集めているとあって、現在のプロダクションヨットの潮流がしっかりと見て取れた。

 

全長が13mを超えるだけに、さすがに余裕あふれる走りを見せてくれる。取材艇はセルフタッキングジブ仕様で、バウスラスターも備えているので離着岸時も心強い。ショートハンドであっても、操船にはまったく問題ないだろう。
美しいブルーのハルは、日本に到着後、オウルグリップ(Awl Grip)で塗装したもの。ラメが入っており、光の当たり具合によってなんともいえない表情を見せてくれ、高級感が醸し出されていた。

 

幅広のスターンはボリューミーで、いまやプロダクションヨットのトレンドとなっている。チャインが入っているのも最近のデュフォーの特徴だが、本モデルは割と長めのチャインが入っている。フリーボードは高め。

 

ジェネカーを展開中。大型艇の部類に入るサイズの艇だが、風速10kt程度のパフが入ると、スーッと速度が乗る。

 

コクピット。さすがにこのサイズだと、余裕たっぷり。ロープロファイルのドッグハウスは、スーパーヨットを含む大型艇~超大型艇のメインストリームで、ラグジュアリーな雰囲気を演出している。ドジャーを畳んだときも、すっきりと整理・収納できる工夫がされていて、そんなあたりにもデュフォーらしさを感じてやまない。

 

スイムプラットフォームを展開したところ。取材艇の場合、ヘルムスマンシートの下には、シンクやBBQコンロが設置されている。停泊中は、ここでくつろぎと団らんの時間を過ごせることが容易に想像できる。中央はライフラフトの収納スペース。

 

メインサロン全景。船内のレイアウトはキャビン数の違いでいくつかあるが、取材艇は3キャビンのタイプ。左舷側は、前方からギャレー、シート、シャワー&トイレ。右舷側は、前方からカウンター、L字型セティー、チャートテーブルという配置になっている。

 

L字型のギャレー。シート側とはカウンターでうまく仕切られていて、配置の妙に納得。足元を照らすLED照明にも注目いただきたい。

 

船首キャビンがマスターステートルームとなる。ヘッドクリアランスも十分。このあたりでも船幅にボリュームがあるせいか、開放感とゆとりにあふれている。

 

左舷側のアフトキャビン。取材艇は3キャビン仕様で、右舷側にも同じアフトキャビンを備えている。

 

取材時のセーリング動画はコチラ↑↑

 

(文=舵オンライン編集部 写真=舵社/宮崎克彦)

 


SPEC
●全長:13.24m
●ハル長:12.50m
●水線長:11.69m
●全幅:4.30m
●喫水:2.10m
●軽荷排水量:9,700kg
●バラスト重量:2,600kg
●セール面積:メイン52㎡、ジェノア40㎡
●燃料タンク:250L
●清水タンク:430L
●エンジン:ボルボ・ペンタD2-60F(60馬力。セールドライブ仕様) 

 

(問い合わせ)
アクティブマリン
http://www.activemarine.jp/

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なお「デュフォー430」は、4月15日(木)~18日(日)に開催される「ジャパン インターナショナル ボートショー 2021」(会場:横浜ベイサイドマリーナ)に出展される予定です。


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