クラシックボートアワードに〈シナーラ〉がノミネート

2021.01.30

1927年にイギリスで建造された、「海の貴婦人」の愛称を持つ木造クラシックヨット〈シナーラ〉。長くリビエラ シーボニアマリーナ(神奈川県三浦市)をホームポートとしており、その美しい姿を目にしたことのある方も多いのではないだろうか。
このたび、その〈シナーラ〉が、イギリスの雑誌『クラシックボート(Classic Boat)』主催の“Classic Boat Awards2021”に、アジアから初めてノミネートされた。
この賞は、クラシックボートの建造や修復に携わったすべての人をたたえるもので、インターネットでの一般投票によって決められる。40ft以上のレストア艇や、それ以下のサイズのレストア艇、クラシックボート界に貢献したボーターなど、8カテゴリーに分けられ、〈シナーラ〉は「40ft以上のレストア艇」というカテゴリーに入る。

現在、このアワードの投票が行われており、下記サイトから、名前やメールアドレスを入力すれば誰でも投票できる。
40ft以上のレストア艇(Restored Sailing Vessel over 40ft [12.2m])部門の〈シナーラ(Cynara)〉に、ぜひ投票しよう。

●投票はこちらから↓↓
https://awards.classicboat.co.uk/vote-now/

 


2020年のClassic Boat Awardsで、40ft以上のレストア艇部門のウィナーとなった〈 HERON II 〉。1936年にイギリスで建造された
©The Chelsea Magazine Company

 

〈シナーラ〉の歴史

〈シナーラ〉は、1927年にイギリス・サウサンプトンの近くのキャンパー・アンド・ニコルソンズ造船所で、艇名を〈グウェンドリン〉として建造された。初代オーナーは「世界最高峰の帆船を造ること」を目指し、資材調達には10年かかったといわれる。
その後オーナーが代わるごとに艇名も代わり、1932年にロンドン在住の英国不動産業界の有力者である、ハワード・フランク卿がオーナーとなった際、艇名を〈シナーラ〉とした。

 


2本マストのガフリグ帆船〈シナーラ〉。1965年頃までは、船体は黒色だったという
©RIVIERA GROUP

 

〈シナーラ〉のレストアプロジェクト

1973年、〈シナーラ〉は大西洋、カリブ海、太平洋を横断し、さまざまな島に寄港しながら、195日かけ、神奈川県・三浦に入港。北海道から沖縄までさまざまな港をめぐり、2001年から、リビエラシーボニアマリーナやリビエラ逗子マリーナを運営するリビエラグループの所有艇となる。
同グループでは、2015年に〈シナーラ〉のレストアプロジェクトを立ち上げ、世界10カ国から50人もの船大工たちを集め、2017年に修復作業を開始。船齢が90年近いフネだけに、解体から始まり、船内からハル、デッキなどすべての部分を(忠実に)修復するなど壮大なプロジェクトであり、実に4年をかけたレストアが先ごろ完了した。

 


ハルの外板を修復する様子
©RIVIERA GROUP

 


©RIVIERA GROUP

 

レストア後の〈シナーラ( Cynara )〉
全長:96ft(約29.26m)
全幅:18.7ft(約5.69m)
総重量:73トン
帆装:2本マスト、ガフリグ
材質:フレーム/オーク材、デッキなどほかの部分/チーク材

 

建造から100年近くたった今でも、さまざまな人の心をつかみ続ける〈シナーラ〉。日本の海を走るこの美しい歴史的ヨットに投票し、ぜひ応援しよう。
なお投票は、3月8日9:00までとなっている。

 

(文=Kazi編集部 松山 暁)

 


●投票は下記サイトから
https://awards.classicboat.co.uk/vote-now/
※投票の詳しい手順はコチラを参照(日本語版)

〈シナーラ〉に関するサイト
https://cynara.jp/

リビエラグループ公式サイト
https://www.riviera.co.jp/


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