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ボート
アナタは使ってる?/走りを変えるボートのトリム調整

2020.10.09

アウトドライブ(以下、ドライブ)を備えたパワーボート、つまり、船外機艇と船内外機艇(スターンドライブ艇)のリモコンレバーには、トリムスイッチが備わっている。これは、ドライブの角度を変えることでプロペラが発生させるスラスト(推力)の上下方向の角度を変え、ボートの走行姿勢を制御するためのもの。
走行姿勢を適切に制御することで、最高速や燃費、波当たり時のショック軽減による乗り心地などが向上するのだが、この機構を「積極的に使っている」というボーターは、案外少ない。

 

モデル艇は2機掛けなので、ツインレバー仕様。左舷機レバーの上部に付いているのが、両舷機のトリムを同時に調整するスイッチで、レバー基部前面には、左右のドライブを個別に調整するためのスイッチもある。

 

一般的に「適正トリム」は、スラストが水平になるイーブンから、やや蹴り上げた(トリムアウトした)くらいまでとされるが、船型やエンジン出力、乗員/荷物の搭載量などの条件により個々のボートで異なる。
そこでまずは、波のない穏やかな水面でプレーニングに入ったのち、レバーの倒し具合を一定に保ったまま少しずつトリムを変え、回転数や艇速が微妙に上昇するところを探して、そのときのトリムメーターの示度を“基準”として覚えておこう。

 

モデル艇のトリムポジションインジケーター。数字はトリム角度。左の「TRIM」はトリム範囲内にあることを示し、右の「BEACH」と黄色のランプはビーチング時の使用範囲(微速のみ)であることを示す。赤ランプは上架時などのチルト範囲まで蹴り上げると点灯する。

 

下の写真は、ヤマハPC-27(エンジン&ドライブはボルボ・ペンタD3-200/DPS×2に換装)による、同コンディション下でのトリムの違いによる走行姿勢の変化を撮影したもの。このように見比べると、トリム調整の効果は一目瞭然だ。

モデル艇の走行姿勢の変化を見る。左から、トリムイン、イーブントリム、トリムアウト。船首船底部分の浮き上がり具合と、船尾の沈み具合に注目。

 

トリムイン:ドライブを追い込んだ状態では、斜め下向きのスラストが発生し、船尾船底を押し上げるように働くため、バウが沈むバウトリムとなる。バウアップが抑えられるので、早くハンプを越えるためにはトリムインするといい。ただし、滑走後もそのままにしておくと、スピードが伸びにくく、スプレーも多めとなる。

 

イーブントリム:スラストが水平になるイーブントリムは、トリムインでの航走に比べ、バウが上がり、接水面積も小さくなって、効率のいい走りを見せる。ボートの腹(船底中央付近)で波を受けるため、乗り心地も快適。スピードも若干伸びる。

 

トリムアウト:ドライブを蹴り上げた状態では、斜め上向きのスラストが発生。トリムインとは反対にバウが上がり、スターントリムとなる。船尾が沈み込み、スプレーも多く、外から見ても走りづらそうだ。
※各写真右上○内のドライブ画像は左右反転しています

 

ちなみに、トリム調整の効きやすさは船型によって異なるが、このモデル艇はディープV船型の半滑走艇で、効きやすい部類に入る。
なお、海面状況によっても走りやすいトリム(波当たりのショックやスプレーの上がり方など)は変わるので、いろいろと試して、マイボートの快適な走りを追求してみてはいかがだろうか?

(文・写真=Kazi編集部/今村 信)

※本記事は月刊『Kazi』2020年10月号特集内にも掲載。ドライブのトリムに加え、フラップ(トリムタブ)の使い方も解説しているので、バックナンバーおよび電子版をぜひ
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