水郷の町に春来たる。白鳥たちの旅立ちとお花見クルージング

2024.03.29

【水路を航く】#39/茨城県・潮来港、北浦

湖と川とともにある町

日本で2番目の面積を誇る湖、茨城県の霞ヶ浦の南東部に位置する潮来(いたこ)市は、同じ水系の湖である北浦と常陸利根川に挟まれている。

一帯には大小さまざまな水路があり、暮らしの中で活用されてきた。中でも、花嫁が手漕ぎ舟で嫁ぎ先へ向かう「嫁入り舟」は全国的にも有名だ。

水辺が身近にあるこの地で、冬から春へ、季節の移ろいを感じる風景に出合った。 

 

(トップ画像説明)
霞ヶ浦水系、常陸利根川沿いにある潮来港。満開になった桜は、風や雨で簡単に散ってしまうため、ベストシーズンは思いのほか短いが、この日は運よく満開の桜を見ることができた。

 

北浦の西岸にある「白鳥の里」。日の出の約1時間前になると、オレンジ色の光がうっすらと水平線に差してくる。水際ではカモたちが体を寄せ合いながら休んでいた

 

日が昇り始め、湖面が朝日でキラキラと輝く中、地元の方が鳥たちに給餌していた。白鳥たちは、日中はエサを求めて散らばり、日没前には集まって休む。気温が氷点下になる日もある夜明け前、オレンジ色に染まる空と湖面の間で羽ばたく姿は美しい

 

少し高台にある稲荷山公園からは、潮来の市街地が一望できる。川に架かるのは対岸の千葉県香取市へとつながる潮来大橋

 

1185年に源 頼朝が創建したと伝えられる長勝寺。一時荒廃したが江戸時代に水戸藩主・徳川光圀によって再興されたという。茨城県指定有形文化財に指定されている

 

1804年創業の愛友酒造。丹精込めて仕込まれるその大吟醸や純米吟醸は、国内はもとより海外でも高く評価されている。無料の酒蔵見学(団体は要予約)や、きき酒、直売コーナーも用意されている

愛友酒造 TEL:0299-62-2234

日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。
舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。

第39回は、『ボート倶楽部』2022年4月号に掲載された、水郷の町として知られる茨城県潮来市で出合った風景をお届けしました。

※本記事の取材は2021年の3月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください

 

(文・写真=舵社/山岸重彦)

 


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