帆船で非日常的な生活を体験/誰でも乗れる〈みらいへ〉

2020.10.09

日本にある帆船といえば、〈日本丸〉〈海王丸〉のように、商船系大学や高等専門学校の学生が航海訓練をするための船を想像する。だが、海技教育の経験有無に関わらず一般の人が乗ることができる、〈みらいへ〉という帆船があるのをご存じだろうか。
〈みらいへ〉では、共同生活やセールトレーニングを通じて、人間力の向上を目指すさまざまなプログラムが実施されている。半日から宿泊を伴う数日間のプログラムを通して、帆船の楽しさや海の魅力を伝える。
また、みんなで協力して帆船を操船するため、チームワークやリーダーシップのスキルを身につけ、人間力の向上を図る場として、企業の新入社員研修や学校の実習プログラムにも採用されている。

 

さて先日、神奈川県横須賀市のシティマリーナヴェラシスに〈みらいへ〉が寄港した折のこと。帆船を使ってのセールトレーニングではおなじみカリキュラム、「マストクライム」にチャレンジする機会を得た。
本来はセールを揚げるべくマストに登って作業をするそうで、約30mあるマストの、地上から15mほどの高さにある見張り台まで登ることとなった。登っていくにつれて、想像以上の高さに足は震え、頼れるのは自分の腕力のみ。「あれ、高いところって、こんなに苦手だったっけ」と初めて抱いた恐怖の感情と戦い、なんとか気合いと根性で登り切った。
遊園地のアトラクション感覚だが、本来は高さ30mの場所にある見張り台で、両手を使ってセールの作業をするために登るのだ。筆者のようなヨット乗りにも、帆船〈みらいへ〉での非日常的な経験は、マストクライムひとつ取っても、目からウロコの出来事のオンパレードではないかと感じた。

 

プログラムに参加したことのある某編集者は、「みんなで一致団結してセールを揚げる作業や、共同生活を乗り越えた達成感はもっとすごい」と、熱く語っていた。
なるほど、確かに全長171ft(52.16m)もある大きな帆船をみんなで操船して、そこで得られる達成感はものすごいだろうなあ……少し青春ぽいかも?
電波も届かない海上で人と出会い、慣れない帆船で過ごす非日常的な体験は、新しい発見もあり、ありのままの自分と向き合える場になるのではないだろうか。いろいろなプログラムが随時予定されているので、ぜひ一度〈みらいへ〉のホームページをご覧になっていただきたい。

(文=Kazi編集部/松山 暁 写真=舵社/宮崎克彦)

 

帆船〈みらいへ〉諸元
●全長:52.16m
●総トン数:362トン(国際)
●主機関:320馬力×1
●帆装:3本マスト、総帆数13枚
●旅客定員:38人(宿泊の場合)

問い合わせ
(一社)グローバル人材育成推進機構 帆船みらいへ事業部
TEL: 078-381-7079(平日10:00~17:00)
https://www.miraie.org/

 

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