斉藤 実さんが6月8日(日)に永遠の航海へ出航。享年91。
心臓の病気と闘い、2024年年末ごろには脳梗塞で倒れたものの復活。療養を続けていたが、6月8日(日)に、心不全のため心不全のため天国に旅立った。
*
6月14日(土)、都内の浅草聖ヨハネ教会で葬送式が行われ。近親者のみの会ではあったが多くの関係者、セーラーが参列した。クリスチャンネームは、グレゴリー斉藤 實。
歯に衣着せぬ気風のいい会話で、多くのセーラーを楽しませてくれた斉藤さん。さまざまなヨットレースイベントや、ボートショーなどにも率先して参加し、斉藤さんの周りにはいつも人だかりができた。親交のあった舵社のKazi編集部にもよくお電話をいただき、次の冒険についての構想をいつも楽しそうに話してくださった。特に、71歳で達成した単独無寄港無補給世界一周はギネスブックにも認定され、世界的に多くの話題を呼んだ。まさに鉄人であった。
今後、横浜ヨットクラブメンバーを中心に、散骨お別れ会も予定されている。続報が入り次第お知らせします。謹んでご冥福をお祈りします。
斉藤 実さん略歴
1934年1月生まれ。東京都墨田区出身。39歳でヨットを始め、50歳で家業を引退。1987年に第1回メルボルン~大阪/ダブルハンドヨットレース参戦。1989年、オークランド~福岡レース3位入賞。1990年、第3回BOCチャレンジ完走、3位入賞。1994年第4回BOCチャレンジ完走。1998年、第5回アラウンド・アローン(BOCチャレンジから改名)完走、65歳の最高齢記録を樹立。2004年、東回り単独無寄港世界一周を達成し、71歳の最高齢記録樹立。2006年、ニューポートヨット博物館の殿堂入り。2007年、クルージング・クラブ・オブ・アメリカよりブルー・ウオーター・メダル授与(84年の歴史のなかでアジア人初の受賞)。2008年、西回り単独世界一周を達成。
(文・写真=中村剛司/Kazi編集部 写真=舵社)
※月刊『Kazi』2025年9月号に関連記事掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ