全日本470 DAY3 社会人セーラー河合/中澤に注目!

2021.11.21

85艇がエントリーした「ピアソン全日本470級ヨット選手権大会2021」は、レース3日目の本日より決勝シリーズが始まった。今日は一瞬だけ日が差したものの、曇天の1日となった。前線が通過する予報の明日22日(月)はレースが実施できるか見通せないこともあり、今日も4レースを消化した。暫定首位は、1-4-5-1とした岡田奎樹/吉岡美帆(トヨタ自動車東日本/ベネッセセーリングチーム)。雨&強風予報の22日は、最大2レースを実施する。

 


今日は
厚い雲に覆われた相模湾。午後は予報より早めに小雨も降り始めた

 

今日の注目は、社会人セーラーの河合龍太郎/中澤太郎(ほけんサポート企画/三井住友海上火災保険)の2人。全9レース(7-7-9-4-6-4-5-4-8)を終えて、総合7位につけている。今日は特にフィニッシュラインを切る2人の笑顔が印象的で、レース後にインタビューを行った。2019年夏に東京五輪のキャンペーンを終え、一緒に乗るのは実に2年ぶりという。

 

河合「もともと全日本に出る予定はなかったんです。今年の国体の中止が決まる前、神奈川県の佐々木共之監督に『お前たち練習してるのか?』って連絡もらって、練習しておこうということで中澤くんに連絡しました。そうしたら国体は中止が決まったんですけど、せっかく予定を組んだし1回乗ろうってなって乗ったら楽しくて。『そういえば全日本が江の島に変更になったらしい、出てみる?』という感じです(笑)。人生を謳歌するために全日本に来ました!」

 


今日の1レース目(第6レース)を4位でフィニッシュし、笑顔を見せる河合龍太郎/中澤太郎(ほけんサポート企画/三井住友海上火災保険)

 

河合「風の振れが激しいので、スタートからフィニッシュまで冷静に戦い抜くことが重要だろうと思っていました。1レース通して前のほうにいられればいいなと。スタートからファーストブロー、セカンドブローを使える機会が多くて、上マークの時点で上位にいられました。ただ2位3位で回れてもダウンウインドで抜かれちゃって。五輪キャンペーンをやっているメンバーとはダウンウインドの差がありますね」

 


2人は慶應義塾大学ヨット部の同期。五輪キャンペーン時は2人合わせて130kgあった体重も、現在は120kgないという。「軽すぎて明日が怖いです」と河合

 

河合「五輪キャンペーンの時から思っていたことですが、仕事では体験できない物がスポーツの場にはあるなと思っていて、それはすごく刺激的ですね。改めて大会に出てみて、出艇前のソワソワする感じとか、何かやり足りないことがあるんじゃないかとか、時間に追われる感じはいいなあって。これが毎年ってなると厳しいかもしれないですけど。近場でレースがあれば出ようかなって思います」

中澤「だいぶセーリングから離れていたんですけど、久しぶりに大会に出てみて、やっぱりレースの面白さを感じました。なかなか日頃、仕事と家庭を持ちながら『勝ちたい』という感情になることはあまりないので、こうして大会に出るとそこの面白さというか、『なんとか勝ちたい』という思いを持ついい機会になりました。もう第一線でやることは難しいですが、大会やレースに携わる人のそばにいられたらなと思いました」

 

たまに母校のヨット部を指導するために海に出ていたという河合と、2年間全くヨットに乗っていなかったという中澤だが、久しぶりのレースを存分に楽しむ姿があった。五輪種目かつ学連種目ということで、どうしても五輪を目指す選手と大学生が多くを占める全日本470級選手権だが、2人のように470級のレースを楽しむセーラーも増えたらいいなと思ったのだった。

 

ピアソン全日本470級ヨット選手権大会2021
公式サイト
暫定成績
トラッキング

 

(文・写真=Kazi編集部/森口史奈)

 


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